株式会社はせべ 代表取締役 長谷部 玲子さん

今は亡き父の意思を受け継ぎ
数多くのラーメン店開業をサポート

尾道の代名詞の一つに挙げられる『尾道ラーメン』 。今や全国区となったその一端を担ったラーメン界を支える製麺業者の『はせべ』。
はせべなしでは、尾道ラーメンはここまでになっていないかもしれない… という取引先のラーメン店主の声も多い。
同社がなぜここまでに取引先からの信頼が厚いのか。
父親から社業を受け継ぎ、変わらぬ味を受け継ぐ長谷部玲子さんに聞いた。

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ラーメン大好き

はせべは私の父が創業したのですが、父はラーメンが大好きで、「ラーメン店をしようか、製麺所をしようか?」と相当悩んだそうです。悩んだ末に昭和35年に製麺所を始めました。最初は取引先が一軒もありませんから、サンプルを持って営業に歩いたそうです。すると、尾道には当時麺類組合があり、組合の役員さんから「麺の営業に行ったそうだがやめてほしい」と言われたそうです。同業者さんとは友好な関係でいたいと思った父は、それから営業することをやめて、とにかくいい麺を作ることに専念しました。当時の尾道にはラーメン専門店は数軒で、ほとんどは食堂でしたが、ラーメン用の生麺に特化しました。最初はかなり苦労したと思います。毎日麺を作っても売れないわけですから。

はせべオリジナルのスタイル

ラーメンの大好きだった父は、自分の美味しいと思う麺を追求した結果、口コミで取引先が増えていきました。自分の子どもにも安心して食べさせられる麺を作ろうと保存料や添加物を一切入れず、良質な小麦粉を使ったので、麺の香りや味もよく、それが広まり「はせべの麺はおいしい」と評判になりました。
営業をしなくても、取引先が増えていく不思議な現象が起こりました。
口コミで広まった理由は、麺の味もその一つだったと思いますが、なにより父の人徳もあったのだと思います。
「ラーメン店を出すときは、はせべさんへ相談にいきなさい」と言われて相談に来られる方も多かったです。父はとても人情に厚く、温かみのある人でしたから、相談に来られると自分の弟だったら、息子だったらと親身になってアドバイスしていました。
ラーメン店の開店から営業まで(店舗・厨房の設計から施工並びに調理指導)というのがキャッチフレーズです。今でこそフランチャイズというシステムがありますが、はせべのようなスタイルの会社はなく、斬新でした。ひとマネではなく、父の性格から発生したオリジナルです。
次々と相談に来られる方の個人情報を聞き、損得抜きでその方にとっての最善の方法を考えていました。奥さんだけがお店をする予定で、ご主人が会社を休んで手伝っていたところ開店から大繁盛で、しかもご主人に適性が大いにあると考えた父は「会社をやめてラーメン店をした方がいい」と説得することもあれば、子どもがまだ小さいのに預かってくれる所がないと聞けば「子どもの教育は大切。もう少し大きくなってからにした方がいい」と意気に感じて一生懸命お世話していました。

父から学んだ仕事の流儀

父が亡くなってからも数多くのラーメン店開業のサポートをしています。
子どもの頃から「小判鮫」といわれるくらい仕事の現場をついて回っていたので、父のやり方や考え方が自然に頭にインプットされたのだと思います。
以前、元幼稚園の先生が定年退職され、暇をもて余すので大好きなラーメン店をやりたいと相談がありました。「全部お任せします」と言われ、店舗の改装、厨房設備からタワシの一つまで全て準備させていただいた時は、本当にいい勉強になりました。
そのお店は、教え子たちからも人気で、行列ができるほど繁盛店になりました。
相変わらず営業には回りませんが不思議とお客様が来て下さいます。お店は大きいのに売り上げが低迷していてあちこち麺を換えたあげくに相談に来られて、何倍にも売上げが増えて大喜びされたこともあります。
子どもの頃、お店の方にもずい分かわいがっていただきましたが、近々そんな創業時からのお客様が新しくラーメン店をオープンされます。懐かしくも嬉しいお話です。
またラーメン店だけではなく、近々オープンするお好み焼屋さんは、試作する時よくスーパーで売っている袋に入った蒸し麺を使われていましたが、納得できないということでご相談を受けました。こだわりがある方ですから、こちらもそのこだわりにお応えしたいと思い生麺を使うことをおすすめしました。試食している段階ですが、まわりからの評判は上々だそうです。

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夢は無限に広がる

今や尾道は尾道ラーメンを目的に来られる観光客が増えました。
父が生前30年くらい前に「千光寺に観光客がたくさん訪れ回遊し、商店街にも海岸通りにも観光客があふれ、ラーメン店には行列ができるようになる」と話していました。
それが今現実そうなっています。これには驚かされました。
はせべのお客様はテレビや雑誌に取り上げられるお店が多く、よく掲載された雑誌を送ってきて下さいますが、県外で尾道ラーメンのお店をされている方にとっても尾道のラーメン店がにぎわうことは励みになるようです。
父がよく言っていた「夢は無限に広がる」という言葉を信じて私も精進し「さすがはせべ」と言っていただけるようないい仕事がしたいと思っております。
社屋の隣地にいずれ「尾道・はせべラーメン研究所」を建設したいと思っております。私の夢も無限に広がっています。

プロフィール

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長谷部 玲子さん(はせべ れいこ)
幼少期から「食」と縁が深く、東京の大学に在学中には食べ歩きのガイドブックを自身で作成していた。
卒業後は、高島屋、NHK文化センター等で、ステンドグラスのアシスタント講師を勤める。
帰郷後は株式会社はせべに入社し、ラーメン店開業のサポートにあたり現在に至る。 家族は母、夫。趣味は旅行、食べ歩き。
国際ソロプチミスト尾道所属。

㈱はせべ
尾道市古浜町16-2
TEL:(0848)22-7483
FAX:(0848)25-2431

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