広島化成株式会社は1947年に設立しました。最初は自動車のタイヤやチューブの製造を手掛け、その後ゴム草履、総ゴム靴の生産に乗り出し、東京・大阪にも事業を拡大していきました。70年という長い歴史の中で、サンダルやゴム靴だけでなく、工業用のゴム製品やビニル床タイルやシートなどの生産へと、取り扱い製品の分野がどんどん広がっていきました。現在では国内事業所7カ所、関連事業所13カ所、海外拠点(インドネシア)を置いています。この70年に着実に成長を続けた組織を管理する宮地取締役管理本部長にお話を伺いました。
インターン|可能
見学|可能
<取材メンバー>
福山市立大学
粕谷 竹寿
福山市立大学
篠原 麻貴
<インタビューご協力>
広島化成株式会社
宮地 幹治さん
部署名・役職|取締役管理本部長
<宮地取締役へのインタビュー>
【事業内容】
・シューズ事業部…年間3,081,688足生産(2016年度実績)
・工業用品事業本部…年間ゴム使用量6,267,569kg(2016年度実績)。障害者用の点字ブロック、空港やスポーツ施設の床材、自動車の窓枠に付けるウエザーストリップなど多数。
・化成品事業本部…年間26,371,408mプラスチック製品製造や防水シート、間仕切りシート、透明シートなど、工業用から一般住宅用まで多岐にわたります。
Q.幅広い製品製造が可能な理由を教えてください。
広島化成は大きくシューズ事業部、工業用品事業部(ゴム製品)・化成品事業部(プラスチック製品)の3つの部門に分かれていますが、それぞれが独立し目標をもって動いているため、それぞれの部門が発展しやすいのだと思います。そのため、1つの会社の中に3つの会社があり、管理本部で統括しているというイメージが分かりやすいのではないかと思います。
Q.ほかの製造業にない強みを教えてください。
70年という歴史の中で積み重ねた技術や信頼では負けません。また大企業ほどの規模はなくとも、製品のニーズに合わせて変化をし続けてきました。そのスピード感や対応力はほかの企業にはないと思います。
Q.御社で取り入れているという企業内ベンチャーについて教えてください。
2006年に、「株式会社マイナス600ミリボルト」という会社を設立しました。これは弊社のもっている高い技術力を駆使して、「水素水」を製造する会社です。高濃度の水素水は赤ちゃんからお年寄りまで、体に優しく吸収しやすく、安心して毎日飲んでいただくことができます。本来ベンチャー企業は不安定なものですが、元の会社の後ろ盾により信頼を得やすいことや資金の援助を受けやすいのが強みです。また新しい会社にすることでブランディングする上での機動力が確保できます。
Q.従業員の福利厚生はどのようなものがあるか教えてください。
育児休暇を取りやすくしています。そのため休暇後もほとんどの女性従業員は辞めずに続けています。また、土曜と日曜はほぼ会社は休みになっており、ゴールデンウイークやお盆の休み、年末年始の休み、有給休暇促進のメモリアル休暇なども採用しています。ほかにもレクリエーションや社員旅行などを行い、横のつながりも大切にしています。
Q.新入社員に求めることを教えてください。
積極的で自分から知識を吸収しようとする人が良いですね。また、長く働いてくれる人がうれしいです。
Q.今後の展望や目標について教えてください。
今後もニーズに合わせた製造を続けて100周年に向けて頑張っていきたい。また、従業員やお客様を大切にして安心安全なものを作り続けたいです。
<従業員の1日>
桐本 卓哉さん(24)
出身大学|近畿大学
出身地 |香川県
スケジュール(ある日の1日)
07:45|出社
07:55|ラジオ体操
08:00|朝礼(課ごとに全体業務についてのスケジュールの話を行う)
08:15|メールの確認
08:30|試験スケジュール作成(現場のラインを使用して作った試作品の一般物性試験等のスケジュールを立てる)
09:30|見積りの作成(営業から見積り書作成の依頼が来るため、製品の仕様に合わせた見積りを作成する)
10:00|休憩 (7分)
10:07|見積りの作成
12:00|昼休憩
12:50|材料変更による配合(ゴム練り、加硫、代替試験)購入している材料が変更、廃番になることがあるため、現行品と代替品の物性値等を比較し、使用の検討を行う。
15:00|休憩 (8分)
15:08|現場試作(新製品立上げのため、お客様に提出するサンプルや、試験を行うための試作製品を押出、条件決めを行う。製品仕様に反映させるため)
18:00|試作条件の記録
18:40|退社
入社の時に感じていたこと
周りの先輩社員の方たちが優しく、一人で仕事を行うのではなく、みんなで助け合いながら業務を進めていく。
やりがいを感じる時
0から自分が関わった製品の仕様を決め、生産課に託し、生産されている時にやりがいを感じる。
休みの日にすること
買い物に行ったり、DVDを借りて映画を見たりして、気分のリフレッシュに時間を使っている。
就職前にしておくべきこと
大学生から社会人への切り替えのため生活リズムを整えたり、意識をつくることが大切です。また、大学生のうちにしかできないこと、例えば長期の旅行にも行くべきだと思います。海外に行けたら就職のときにも加点になるのでなお良いかもしれません。
学生さんへひとこと
今の仕事は学生時代に勉強していたこととは違った分野ですが、分野が違っても興味を持ったことには挑戦してみることが大事だと思います。
<感想>
福山市立大学
粕谷 竹寿
学校の近くに広島化成さんがあることは知っていましたが、自分のすぐ近くで日本の半分以上の点字ブロックや身近な製品を生産していたことにとても驚きました。自分の中では工場というと退屈で疲れる仕事ばかりでないかと思っていましたが、実際に働いている方々のお話を伺い仕事にやりがいと楽しさを感じているのを知り、工場での仕事にも興味を持つことができました。
自分がどんな仕事がしたいのか決まってはいませんが、いろんな職種や職場を見て将来の仕事を決めていきたいと思える取材になりました。
福山市立大学
篠原 麻貴
普段、工場を見ると、働くのきつそうだな、肉体労働で男の人ばっかりなんだろうなっていうのが本音で、正直なところ、就職の選択肢にもありませんでした。でも、お話を聞いて、工場だからと、ほかの企業より特段にきついわけではないのだと思いました。むしろお話聞いていると楽しそうだなと思う点が多かったです。また、福利厚生の面は、すごく印象に残りました。育児休暇した人がほぼ仕事復帰していたり、休日もしっかり取れたり、働きやすい環境が整っているんだなと感じました。従業員が長く働ける環境があるからこそ、企業としても長く続いてきているのかなと思いました。
今回、取材を通して、知らないっていうのは就活においても、これからにおいても損しているんだなと感じました。就活が始まる前にもっといろんな企業を見て視野を広げていきたいなと思いました!
<会社概要>
取締役社長 西 浩一
創 業 |昭和22年3月
資本金 |2億円
従業員数|364名( 男性321名、女性 43名 )(2014年5月現在)
インターン|可能
見学 |可能
・本社
住 所|広島県福山市松浜町2丁目2番11号
TEL|(084)922-7200
FAX|(084)922-7280