人の和をもって、さらに拡げる仕事の輪―福山市・株式会社コパックス

株式会社コパックスは、創業以来約40年以上、食品パッケージ(包装資材、食品容器、フィルム等)を扱っている会社です。

2017年6月に株式会社KPネッツホールディングスを設立。8か所の営業所と6か所の物流センターを置き、より早く顧客満足を追求する仕組みを作った小林社長にお話しを伺いました。

インターン|可能
見学|随時可能

<取材メンバー>

尾道市立大学
長田 睦美

尾道市立大学
尾畠 雛子

<社長へのインタビュー>

Q.経営理念の「顧客に満足を与え、価値を創造できる企業を目指し、取引先、顧客に選ばれ信頼される企業を創る」への思い、理由などお聞かせください。(尾畠)

我々の仕事はサービス業に近いですね。人と人とのつながりを基本とした仕事です。それとパッケージは色々な部分で人に感動を与えますが、中身が同じアメ玉だとしてもパッケージが変化するだけで違うイメージとなります。我々の仕事はお客さまの思いを入れて、価値を創造していく重要な役割があります。例えば「アメ」のパッケージでも、デザイン性を高めたり、機能性を強調すると、お客さまの感じ方は変化します。「帰って子どもに見せたら喜ぶかな」とか、ビタミンカラーを強調しておくと、元気になりたい人はそれを欲しがったり、「疲れた人にあげよう」など、たった一つの「アメ」でも、色々な価値が生み出されます。

次に「信頼される」とは何かを説明しますね。我々の仕事は特に一人一人でしているものではありません。お客さまのアメだけでは商品になりません、また、我々のパッケージだけでも商品になりません。お客さまの商品と我々のパッケージが一緒になって初めて商品になります。これは、信頼関係がないとできません。お客さまやその先の購入される消費者のことも考えながら商品のご提案をします。そこにお客さまのニーズをどれだけくみ取れるかがカギになります。成功率が高ければ高いほど信頼関係が深まり、信頼関係があれば我々にご依頼いただけます。

我々の仕事で一番大事なのは、お客さまに最初に声を掛けていただくこと。一番に声を掛けるというのは信頼されている証拠です。悩みも、相談事も、信頼している方に話しますよね。また、仕入先様にも「コパックスに任しておけばきちんと売ってくれる。」そこを目指していかないといけません。仕入先様も思いを持って商品を開発されていますが、こちらも意図もきちんと伝えて、商品化につなげていきます。我々の仕事は包装資材メーカー様と資材を使うお客さまとの間のパイプ役となります。パイプと同じで詰まったらよくないので、いかに風通しを良くするかも大事だと思っています。

かといって右から左にそのまま流したら意味がないので、要点を理解してまとめて、お客さんの立場になって付加価値をつけていくことが大事です。

Q.どういった人材が欲しいでしょうか?(尾畠)

一番は「個性」がある子。パッケージっていうのは、それぞれ個性があるので、標準的な考えより多少冒険できるような発想力があるほうがいいですね。発想力=個性だと思うから、個性は大事かなと思います。それが新しい物を作っていくことにもつながってきます。

もう一つは好奇心。いい意味での欲がある人。人間は欲がないと、成長しません。今のままで満足してしまっては次を望まないので営業、物流、業務、どんな仕事を担当しても、向上心を持つことが大事です。協調性などほかに必要なものは、後々ついてくると思います。

面接などで見抜くのは難しいかもしれませんが、個性はだんだん磨かれるものだと思います。個性を磨く後押しを、会社がどれぐらいできるか、それが重要です。面接では個性を若干持っているぐらいが分かればいいです。学生のときは親や学校に守られていますが、社会人になると自分でやっていかないといけないので、パッと個性が開く場合もあると思います。

私自身も内向的で、人見知りするタイプでした。今は見えないと思いますけどね(笑)。それでは仕事ができないと思い、営業をしていく中で人見知りの性格は変わりました。何かのきっかけで人は変わります。例えば絵が好きだったら、書いたり、話すことをしなければいけないと思えば、本を読んだり、文章を頭に入れたりすることで、話し方が身に付いてくる、努力しないと個性やスキルは開花しません。個性の磨き方はそれぞれあります。磨くには自分の努力のウエイトが多いかもしれないけれど、磨けばスキルはついてくると思います。それを会社が見つけられるかも大事ですね。そういう意味ではみんな個性を持っていると思います。

Q.業務内容についてお聞かせください(尾畠)

仕事の流れはそれぞれ違いますが、デザインの場合でいうと、お客さんが「今度昆布を特売で売るのに、ワンポイントのラベルを作って欲しい」と依頼があったとします。イメージで文言は「増量10%」「塩昆布」。産地の情報やどんな容器を使うのかは、指定がきます。ある程度、指定内容や情報・要望が集まれば、デザイナーに依頼し、3パターンぐらいデザイン案を作って、お客さまとすり合わせます。ラベルの紙の材質や色をどうするかも決めていきます。最終校正が終わり、お客さまよりGОサインが出たらラベルを製作する協力会社に依頼をして製作してもらい、製品ができたら納品します。商品の製作の依頼をするときには、入数や商品形態等も指定します。お客さまへの営業や協力会社への窓口は、コパックスの社員が行います。デザインの依頼をパックスタイル山陽というグループ会社にする場合と協力会社に依頼する場合の、二通りのパターンがあります。

Q.部署はどのように分かれていますか?(尾畠)

「(株)コパックス」を中心としてグループ構成となっています。まず、「(株)コパックス」は包装資材に関する総合的な商社の機能があります。「(株)パックスタイル山陽」は、デザインの企画を手掛けています。また、オリジナル商品の開発・販売・卸もやっています。

「(株)アクレス」という会社は包装資材の加工をしている部門です。例えば、お菓子屋さんに納品する箱を折る機能を持っています。人手不足のお菓子屋さんは、菓子箱を折る作業を省略でき、お菓子を箱に詰めるだけで済みます。人がいないという問題で、加工をしてほしいというニーズがあります。スポンジ貼りやシール貼り加工の依頼もあります。地域貢献を何かしていこうということで、コパックスの特例子会社として障がいを持たれた方を雇用するために、「(株)アクレス」を立ち上げました。障がいを持たれた方が特性を活かして働ける環境を作っています。コパックスでは食品加工業者や外食産業で食品を製造、加工、包装する機械等も販売しています。機械を長く使用していただくためにも、メンテナンスは不可欠ですので、「(株)アクレス」でメンテナンス事業もしています。

「(株)アクレス早島」は、就労継続支援A型事業所の認定を取得してます。障がいを持たれた方が一般の企業で働けるように、就業訓練の場を提供しています。スーパーの店頭で回収した使用済みのトレーやペットボトル等がリサイクルセンターに送られ、それを仕分けし、リサイクルをしています。「(株)アクレス早島」はそのリサイクルセンターの運営を受託しています。環境問題と地域貢献両方に取り組む企業です。

コパックスにはデザイナーはいません。同じ会社の中に部署があると、お互いが甘える部分があるので、デザイン会社、パッケージの販売会社などに分けて、別々の会社にしています。

別会社を立ち上げながら、少しずつ分業を進めました。最初はコパックスしかありませんでした。私が会社に入ってから20年のうちに、コパックス以外の会社は設立しました。「(株)アクレス」も10年前に立ち上げました。そういう意味では、ようやく軌道にのってきました。どのグループ会社もみんなよく頑張ってもらっています。グループ全社でパートを含め働いているのは210名。これぐらいの企業の規模にしては障がいを持たれた方に多く働いていただいています。現在は、26人働いてくれています。

障がいを持たれた方はハンディがありますが、個性を伸ばすようにしてあげると、ぐっと伸びます。2017年9月にアクレス早島を「卒業」する社員が出て、一般企業に事務として就職が決まりました。うれしいことですね。アクレス早島に面接に来たときは話すのも苦手だったのに、卒業するときは全然違って、自分で考えて、発言・行動することができるようになっていました。就労継続支援A型事業所は本来、そういう目的があります。これから1人が一般企業に就職して「卒業」したら、新たな障がいを持たれた方を1人雇用できる、そういう流れを繰り返していかないといけないと思います。

Q.小林社長が大切にされている言葉はありますか?(長田)

「素直」ですね。これは私の好きな松下幸之助さんの中にも出てくる言葉です。素直だと人からさまざまなことを吸収する力が身につきます。自分に非があると思ったら素直に謝ったり、分からないことがあれば聞いたりすることも素直なことだと思います。「聞くのかっこ悪いからやめよ」と変に意地になるそしたら自分が損しますからね。だからそういう意味では「素直」という言葉は自分自身にも言い聞かせていますし、社員にも伝えています。

Q.会社全体で大切にしていることは何ですか?(長田)

仕入先様も含め、お取引がある会社がお客さまだと考え、お客さまを大事にしています。そういう意味でもコパックスグループの社員は営業も業務でも、お客さまの評判は良いですね。それはおそらくお客さまを大事にするという想いがない限りはできないと思います。ですからその想いは共通しているのではないかなと思います。

Q.㈱コパックスでの今後の展開や展望をお聞きしたいです。(長田)

展望としては今のお客さまに恩返しをするために情報を多く集めシェアの拡大をしていくことです。本社の近隣ではシェアが高くなっていますが、関西圏ではお客さまはまだ少ないです。しかし、中国地方から関西圏までは営業・サービスできる基盤はできました。最終的には今お付き合いしてくださっている各地域の地場のお客さまに恩返しするためにもできた営業の基盤からシェアの拡大、というのが一番の展望です。

Q.会社を引き継いだ際の想いをお聞かせください。(長田)

責任を持って事業を行い、続けて次の世代に渡していくことが一番しなくてはならないことだと思います。そのために、仕組みづくりや、家業から事業へ変化させていく必要があるという想いは引き継ぐ前からありましたね。我々の仕事は凄く価値のあることだと思っています。例えばメーカーとユーザー様(スーパーマーケットなど)だけだとなかなか取引が難しいです。そこで我々がしっかり機能すればより良い商品ができると考えています。我々が窓口となってしっかりと機能することでお客さまは効率よく、商品づくりができます。そういう意味では価値がある仕事だと思っているのでもっと事業を発展させ、飛躍させていく必要があります。そのためには多くの場所から情報を仕入れ、シェアを拡大させることが必要です。シェアを拡大することでお客さまのニーズにお応え恩返しができ、また多くの情報が入ってくる、良い循環が成り立ちます。その循環の中で新しいお客さまも増えてくるので会社も適切な利益が確保でき、社員の雇用や地域貢献や新しい事業にも取り組めます。そういった事業を続けていくためにも社長は最適な、出来る人がやるべきだと思います。そういった思いもあり、2017年6月に「㈱KPネッツホールディングス」を立ち上げました。社員の中から、各グループ会社の社長になれる人材が出てきてほしいと思っていますし、社長をやりたいという社員がでてきてほしいですね。

<従業員の1日>

石倉 弘己さん(25)
部署名・役職|中央営業所 営業チーム
出身大学|福山大学
出身地 |広島県

スケジュール(ある日の1日)

08:00|出社。FAX確認等

08:30|朝礼。環境整備。提案書、見積書の準備

09:30|お客さまへ情報提供および商品提案等の商談および納品

12:00|昼食

13:00|お客さまへ情報提供および商品提案等の商談および納品

16:30|帰社。翌日納品分の商品手配

17:30|見積り作成。仕入先様と商談

18:00|退社


入社の時に感じていたこと

最初に印象に残った事が上司や先輩が昔から私が働いていたかのように自然と接して頂いた事です。また、仕事でも私が理解するまでしっかりとフォローして下さった事が印象として残っています。


やりがいを感じる時

色々とありますが、一番達成感を得られる瞬間は自分が提案したパッケージ商材、売場提案やデザイン等が採用され売場に陳列されているのを見たときです。


休みの日にすること

家族でショッピングに行ったり、子供が生まれたので散歩したりしてリフレッシュしています。

学生さんへひとこと

学生時代と比べて社会人になると自由に何でも出来る時間が限られるので勉強と遊びのメリハリをつけて「今」を大切にして下さい。

<従業員の1日>

髙橋 尚子さん(24)
部署名・役職|本部業務課
出身大学|就実大学
出身地 |広島県

スケジュール(ある日の1日)

08:30|朝礼・掃除

08:45|当日伝票発行・発注入力

12:00|休憩

13:00|翌日分の受注入力

15:00|受注原票整理・伝票整理・伝票計算

18:00|退社


入社の時に感じていたこと

事務職に対して漠然なイメージしか持っていなかったので、いざ働き出すと「ちゃんとできるかな?」「取り扱い商品多いけど、わかるかな?」など不安がありました。しかし、営業の方や先輩社員が教えて下さったので、不安はすぐになくなりました。

たわいもない会話などもあり、職場の雰囲気がよかったと思いました。


やりがいを感じる時

営業の方やお客様に「任せて良かった」と言われる時にやりがいと達成感を感じます。
この人・会社に任せたいと思われるのはとても嬉しいです。


休みの日にすること

友人と旅行に行きます。
去年は韓国に行きました。今年は台湾に行きます。

学生さんへひとこと

社会人になってからでも旅行など遊びにいけます。
旅行など遊びに誘えて、誘ってくれる友人を大切に!!
あと、早起きの習慣をつけていたら、社会人になってから少し楽かもしれません。

<感想>

尾道市立大学
長田 睦美

普段何気なく使用したり身近に目にするたくさんのパッケージが、自分の住む近くで大量に取引されていることに驚きました。小林社長にお話を聞いていくうちに、継続すること、情報をより多く仕入れる大切さを学びました。情報を多く仕入れ広く知ることは自分を見つめ直すことにも繋がるので就活においても大切なことだなと思いました。迷ったらまずそこに飛び込んでそこから自分が如何に動くかを考えさせられ、とても実のある取材になったと思います。

尾道市立大学
尾畠 雛子

大学で勉強・研究しているデザインの分野に関わっている会社への取材は、深く広く視野を広げる機会になり、大変勉強になる時間でした。包装容器や、日頃何気なく使っている日用品がたくさん並んでいる物流センターは圧巻でした。社長さんのパワフルさや、社員さんが「アットホームな会社です」と思っている、素敵な仕事環境であると思いました。

<会社概要>

代表取締役  小林 俊康
創 業 |昭和46年1月
資本金 |30,000千円

インターン|可能
見学   |随時可能

・本社
住 所|広島県福山市柳津町三丁目2番41号
TEL|(084)930-0300
FAX|(084)934-2080

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