清潔感や綺麗さ中にも、可愛らしさや親しみやすさを感じるスーパー、ニチエーさんに今回お邪魔させていただき、お話を聞かせていただきました。店舗に入った時、感じるのは清潔感と活気、そしておいしい香り。目に入るのは可愛らしいポップに新鮮な野菜と生産者さんの笑顔の写真。バイヤーさんのオススメが紹介されていたり、キッチンでの実演コーナーが作られていたりと、お店からは、お客様一人一人に向き合い、良いものを提供しようというこだわりとプライドを感じました。また、スーパーには珍しく雑貨コーナーも充実しており、他では見ない本物の良いものを手に取ることが出来ました。
インターン|可能
見学|随時可能
<取材メンバー>
尾道市立大学
竹谷 波
福山市立大学
西谷 天
<社長へのインタビュー>
Q.御社の企業理念について教えてください。
ニチエーの企業理念は「誠実と信頼」です。真心を持って正直に行動することで、お客様をはじめ取引先、従業員、地域社会との理解が深まり信頼が生まれます。この真面目だからこそ生まれた信頼があったからこそ、ニチエーは創業から5 7年続いてきました。
Q.就職されている男女構成はどのようになっているか教えていただけますか?
現場では約8割を女性が占めています。また実際に商品を購入するのは女性であることが多いので、バイヤー(小売の仕入れ担当)の1部も女性が担当しており、スイーツや雑貨の特集や小さく小分けした形での商品販売など男性にはなかなか思いつかないアイディアも沢山発案してもらっています。
Q.店頭にはおしゃれなポップが並びますが、あれも女性店員の方の発案ですか
そうですね。商品の入れ替えも早いため凝ったポップを作るのは大変ですが楽しんでやっていただいています。こちらは店頭のどんな商品が売れるのか探すのはバイヤーですが、実際にそれをお客様の目に留めて頂くのは店頭の仕事です。例えばこの水、鳥取の山地で取られた非常に硬度の低い水です。直接現地に赴き交渉して仕入れた水で近辺ではニチエーでしか売っておらず、余り馴染みのない商品ですが店頭での努力も有り売上は飲料水の中ではトップです。ニチエーの商品は1つ1つにバイヤーと店頭によるストーリーがあるから売れる、そして感動が起こるのです。
Q.山間部を中心に少子高齢化が進んでいますが、御社はこの地域の方々に対してどのような対策をお考えでしょうか。
買い物に不自由な地域には「コンビニよりコンビニエンス」を合言葉に、軽トラック「とくし丸」に商品を積み、玄関先まで軽トラックで出向き、実際の商品を見て触って商品を選んでいただく販売方法を週2回行っています。ネットスーパーや単なる宅配にはない買い物の楽しさを感じて頂き、また買い物を通して地域の方、高齢者の方と顔を合わせ会話することで、「とくし丸」は単なる移動スーパーというだけでなく、お年寄りの「見守り隊」でありたいと考えています。
Q.「とくし丸」による見守り隊を始めたきっかけは何ですか?
ニチエーは昭和34年に創業し、今年で57年になります。その頃からニチエーを利用して頂いたニチエーで育ってきた方々の高齢化が進み、店まで行けないけど注文するから持ってきて、と言われたことがきっかけです。直接会話する機会もしっかり設けられるためお客様との距離も縮まり、結果として何かあってもすぐに気がつける環境が出来ました。今後もただモノを売るだけでなく、ニチエーがあってよかったとお客様に言って頂けるような楽しいお店にしていきたいと考えています。
Q.他のスーパーとの違い、御社の魅力について教えてください。
ニチエーでは食卓を、おいしく、たのしく、しあわせに!をモットーに「また来たくなる私のお店」を目指して沢山のイベントを開催しています。例えば32mの巨大な恵方巻き作りを行うとか、教室や東京で活躍する一流シェフを呼んでの料理教室などスーパーとは思えない一風変わった企画やコストコ商品の販売などを定期的に行い、来て頂ける人に楽しんで頂けるようにしています。
Q.コストコ商品についてもう少し詳しくお話いただけますか
アメリカに本社を置く会員制倉庫型卸売会社「コストコ」の商品を仕入れて週末等に販売しています。若い年齢層をターゲットに始めた企画で会員ではなくてもコストコ製品が買えると話題になり、多くの方々に来ていただいています。コストコ製品は一つ一つの量が多いですがお客様同士シェアしあうとか、工夫しながら買い物を楽しんでいただいています。
Q.採用にあたり、どのような基準で選考されていますか
前向きで人と接する事が好きな人を採用しています。バイヤーも店頭の接客も、形こそ違いますが、お客様と接するお仕事です。そして何より大事なのは笑顔です。食卓を「おいしく、たのしく、しあわせに」するためには私たちの笑顔が欠かせません。店員さんの笑顔でお客様も笑顔になるのです。
<従業員の方へのインタビュー>
Q.仕事内容について
・森田さん(4年目 バイヤー)
おいしいと思ったものをお客様にお伝えする仕事です。30種くらいの中から、会議によりプレゼンし提案してゆきます。自分の価値観だけではよくないですしプレッシャーもありますが、自信を持ち良いものを届けたいと思っています。
・古川さん(4年目 鮮魚部)
魚の仕入れ、加工を行っています。もともと鮮魚を希望していたわけだはないですので、先輩の仕事を見ながら、やりながら覚えていきました。
Q.仕事での楽しかったこと、嬉しかったことについて
・森田さん
店舗でのイベントのなどを、みんなで一緒に考えることです。クリスマスやお歳暮などのイベントに合わせ、メニューやコーナーを考えるのは楽しく、みんなで一つの物を作り上げることがイベントへの成功にも繋がりますね。
・古川さん
ニチエーでは魚は直送です。そのためあまり見られない珍しい種類の魚を見られるということが多く、魚を好きというわけではなくとも楽しいです。また人間関係がとてもいいので職場自体が楽しいですね。
Q.仕事のやりがいについて
・森田さん
私はバイヤーとしてはまだまだですが、店舗にいたときは、やはりお客様や生産者様との触れ合いや、試食などでのお客様からの「おいしい」の一言がうれしく、やりがいを感じますね。もっと良いものをオススメしたいと思います。
・古川さん
やっぱりお客様との触れ合いですね。ニチエーでは丸の(加工前の)魚を並べており、お客様の希望に合わせて調理するサービスも行っています。オススメを買っていただく際にお話をさせていただくのですが、それでリピーターになっていただけたりするので、やりがいを感じます。プライベートのことを話すまで仲良くなることもあります。
Q.失敗への対応と、経験の活かし方
・森田さん
ミスをしてもみんながフォローしてくれるので取り返しのつかない失敗はありません。だだ、思った結果がでないときは自分一人で考えて出した時が多いので、やはり相談や、みんなで作り上げていくことが大切だと思います。
・古川さん
恥ずかしい話ですがアサリの発注際に、予定の10倍の量を発注したことがあります。その時は色々な人にフォローしていただき、何とか二日でさばきました。やはり、みんなが互いに協力しあうことが大切なのだと思います。
<従業員の1日>
森田 利沙子さん(25)
出身大学|ノートルダム清心女子大学
出身地 |広島県
スケジュール(ある日の1日)
08:00|出社。朝は社内の回覧板や前日の実績などを確認します。
08:30|店舗巡回。店舗をまわって売場のチェックや担当者との意見交換などを行います
12:00|休憩
13:30|事務作業。店舗巡回で聞いたことをまとめたり、研修の準備をします
14:30|研修。「お客様目線の売り場づくり」というテーマで外部講師の先生の講演を受けました。
16:30|研修の振り返り。研修についてのレポートを書いたり当日の実績を確認します。翌日の業務の確認も行います。
17:30|退社。明日のスケジュール確認をして退社します。
入社の時に感じていたこと
スーパーマーケットのスタッフさんなんて、今まで気にしたことはなかったのですが、裏方の立場になってみると、一つの商品を売るために多くの人が関わっていることに驚きました。
やりがいを感じる時
自分が興味を持って勉強した知識や、メーカーさんに教えてもらったこだわりを基に、POPなどを作成し、それをお客様がじーっと見て商品を買ってくれたりした時。
休みの日にすること
勉強を兼ねてケーキ屋さんや雑貨屋さんに行ったりします。ドラマのDVDを借りてきて見たり、野球を見るのも好きです。
学生さんへひとこと
やってみようという意欲と体力さえあれば、どうにでもなるので、とにかく体調管理には気を付けましょう。
<メッセージ>
森田 利沙子さん
やはり自分から質問したり学ぼうという姿勢が重要です。そのため、仲間とのコミュニケーションとやる気が何より大切ですね。ただいつも気を張っていると疲れてしまうので、ほどほどの手抜きも大切かな、趣味とかね。
<感想>
尾道市立大学
竹谷 波
お話を聞いてもそうですが、店内を案内していただいている間も、皆さんのチームワークの良さを強く感じました。また商品へのこだわりと自信、お客様のための気配りに考えスタッフの皆さんが自然に仕事に対してプライドを持ち働き、素敵なサービスを提供できる職場なのだと思いました。今回お話を聞かせていただいた後に、お弁当とパンを買ったのですが、とても美味しかったです。
尾道市立大学
西谷 天
ニチエーさんにはスーパーや小売業というものに対する考え方を大きく覆されました。小売業は商品を売る、買う関係だけでも成立するし、それだけでも大変だと思います。しかしニチエーさんは商品一つ一つを仕入れる事にしても、お客様の事を考え、お客様に楽しんでもらおうと一番に考えていました。スーパー小売りという括りでみますと、食品偽装などが近年問題に上がっていますが最後にはやはりこういった真面目な姿勢こそが大切と感じました。
<会社概要>
代表取締役会長 坂本 憲秀
創 業 |昭和37年7月
資本金 |8000万円
従業員数|438名(男性158名、女性280名)
店 舗 |福山市5店舗、尾道市1店舗、三原市4店舗
インターン|可能
見学 |随時可能
・本社
住 所|広島県福山市南松永町2丁目19番31号
TEL|(084)934-9090
FAX|(084)934-1600